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さくらのVPSでつくるHAクラスタ(その1)

ここ最近,Zabbixが動いてるサーバが止まって,障害がおきてることにすら気づかなかったり…,と冗長化しないとなぁと思うことが増えたので,Heartbeat + Pacemaker + DRBD + OCFS2 + LXC をつかってさくらのVPS二台で冗長化する構成を構築してみました.ほかのところでも使えると思うので,メモも兼ねて書いておこうと思います.

Pacemakerで管理するリソースは次のようになります.

  • LXCからインターネットに出る際のゲートウェイIPアドレス(仮想IPアドレス)
  • LXCにIPアドレスを配布するDHCPサーバとローカル用DNSサーバ(Dnsmasq)
  • DRBD
  • ファイルシステムOCFS2のマウント
  • LXCコンテナの起動

これだけ設定するとPacemakerのリソースモニタはこんな感じになります.

リソースモニタ

0 はじめに

これを実現するまでに,次の手順を踏みました.

  1. さくらのVPSを2台,同一リージョンで契約
  2. Ubuntuのインストール
  3. ローカル接続を使って2台のVPSを接続
  4. LXC用のブリッジインターフェースの作成と接続
  5. HeartbeatとPacemakerのセットアップ
  6. DRBDのセットアップ
  7. OCFS2のセットアップ
  8. LXCのセットアップ
  9. Dnsmasqのセットアップ
  10. アプリケーションの用途毎のコンテナの作成とNAPT等の設定

結構長くなると思うので,いくつかの記事にわけようと思います.

1 さくらのVPSの契約

まずはさくらのVPSを借りないと始まらないので,契約します.このときローカル接続するために同一リージョンで契約します.
また,データベース等,ディスクアクセスが多いアプリケーションを稼働させる場合にはSSDプランを選択したほうが良いと思います.

さくらのVPSプラン一覧

SSDプランの時点で石狩DC確定ですね.SSD 2Gプランを2台用意しました.

と,ここで出かける時間になったので続きはその2で.

nginxでSSL/TLSを使う

今回はSSL(https)を使えるようにするような設定をnginxにしてみようと思います。

証明書の取得

本来はSECOMやVeriSign等に有料で証明してもらうのですが、今回は以前にも紹介したCACertを載せときます。

ということで、証明書の取得は省略します。とりあえず、サーバーの秘密鍵 server.key と サーバーの証明書 server.cer が手に入った事にします。

nginxに設定

nginxでの設定は簡単で、既存の設定をコピーして、80番ではなく443番に変更し、SSLを有効にしてサーバーの鍵・証明書のファイルを指定してあげるだけです。

ちょっとその部分だけ書いてみます。

server {
	listen   443 default_server ssl;
	server_name	_;
	ssl_certificate /keys/server.cer;
	ssl_certificate_key /keys/server.key;

	location / {
		この辺は適当に
	}
}

リバースプロキシとしてnginxとして使っている場合も同様です。

名前ベースのバーチャルホストを使っている場合

ドメイン名を複数つかってバーチャルホストを使っている場合もあると思います。SSLではアクセスされたサーバー名がわかる前に証明書を渡さなければならないので、名前ベースのバーチャルホストでSSLは利用できませんでした。

が、SNI(Server Name Indication)というプロトコル拡張ができたので、名前ベースのバーチャルホストでも可能になりました。(ブラウザによっては対応してません)

設定は簡単で、httpと同じくserver_nameを設定するだけです。

リバースプロキシとして使っている場合は、証明書を変えるために、バーチャルホストの数だけServerディレクティブを作ってあげてください。

 

 

nginxでプロキシ&キャッシュサーバー

(多分)一般的なWebサーバーであるApacheは複雑な設定も可能で便利なのですが、その分重いのです。

どう重いのかというと、Apacheは一つのプロセスが一つのHTTPリクエストを同期処理で裁いてるのでその間は他の処理をしません。なので、同時アクセス数が増えるとApacheはプロセスをどんどん生成します。(あるいは後からきたリクエストを待たせる)

なので、アクセス数が増えると急激にパフォーマンスが落ちるという問題を抱えてます。(ほかにもプロセスIDが足りなくなってどんなにリソースがあっても最大プロセスIDで制限されてしまう)

で、最近話題のハイパフォーマンスWebサーバーがnginx(えんじんえっくす)です。

nginxは一つのプロセスで複数のリクエストを非同期で同時に処理します。なので、アクセス数が増えてもパフォーマンスが落ちにくいという特性があります。特に静的ファイルの場合は処理のほとんどがI/O待ちなので効果が大きいです。

そこで、PHPとかSVNとか設定がめんどくさいものはApacheに任せておいて、静的なファイルだけをnginxに処理させてみると、Apacheへのリクエスト数は激減するはずです。

例えば、このブログのトップページの場合PHPで生成されるHTMLが一個にたいして、CSSや画像等の静的ファイルが20個近くあります。単純計算で21個のリクエストのうち1個だけがApacheで処理されるのでApacheへのリクエストは約95%削減されます。

では設定してみましょう。OSはUbuntu Server 10.04(64bit)です。Apacheは既にインストール済みで運用されているとします。設定後はnginxがポート80で待ち受けて、Apacheはポート8080で待ち受けるということにします。

(記事の最後でキャッシュファイルをRAMに置くというのもやってみます)

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WordPressはどうすれば速くなるのか、検証実験

さっきの投稿でWordPressが遅い事を書きました。で、先輩のさくらのVPS(nginx+fastcgi)では速いってことも書きました。

ということで、僕も借りてるさくらのVPSで一からセットアップして実験してみました。OSはデフォルトではなくUbuntu 10.04が入ってます。

今回検証したのは、WebサーバーはApache/2.2.14とnginx/1.0.9、RDBMはMySQL(Ver 14.14 Distrib 5.1.41, for debian-linux-gnu (x86_64) using readline 6.1)とPostgreSQL/8.4.9です。なので、合計4通りですね。

Apacheではmod_phpで、nginxでは後ろでspawn-fcgiが動いてます。

で、試してみた結果です。今回検証したいのは静的ファイルではなくPHPの出力なので、画像とかCSSがブラウザでキャッシュされてたりするのは気にしないでください。

Apache + MySQL + WordPress

Apache + MySQL + WordPress

Apache + PostgreSQL + WordPress

Apache + PostgreSQL + WordPress

nginx + MySQL + WordPress

nginx + MySQL + WordPress

nginx + PostgreSQL + WordPress

nginx + PostgreSQL + WordPress

平均もとってない1回こっきりのアクセスの結果なので互いの比較はそんなに意味がないです。

が、どれもレイテンシが数百ミリ秒あります。これは何回試しても同じでした。

あれ?…

先輩のVPSと同じ環境のはずなのになんでこんなに違うの?

WordPressが遅い…なぜ?

最近サーバーの設定を変えたり、リバースプロキシをしてる、HTTPのフロントをApacheからnginxに変えたり高速化を試みています。

が、どうしてもこのブログ(にかぎらず、稼働しているWordPress全部)が重い、というより遅いのです。
Memcachedでオブジェクトをキャッシュしてみたりしても改善されず…

で、Safariで開発ツールの「ネットワーク」をつかって取得の時間を見てみました。

Apache(mod_php) + WordPress 処理時間

Apache(mod_php) + WordPress ネットワーク時間

ここでPHPのファイルへのアクセスのレイテンシが334msもあることに気づきました。稼働しているどのWordPressもです。

で、WordPressはそうなのかと、さくらのVPSで運用してる先輩のWordPressを見てみると…

 

さくらのVPS nginx + WordPress(fast-cgi)

さくらのVPS nginx + WordPress(fast-cgi)

速い….レイテンシ45msです。静的ファイルはうちのサーバーのほうがレイテンシ含め速いので(どちらも304なので比較していいかな)、ネットワーク等の問題ではないみたい。

(あと、向こうはnginx+fastcgi(swanかな?)+WordPressですが、うちでもnginx+fastcgiにしてみたけど改善せず…)

なんで?

とりあえず、僕も借りてるさくらのVPSでDBをMySQLからPostgreSQLにしてみたり、いろいろ実験してみます。

 

 

Ubuntuでレンタルサーバ その2

前回に引き続き、今回はProFTPdをセットアップし、MySQLのテーブルに記録されたユーザー情報で認証できるようにします。

まずはProFTPdのセットアップから。proftpdをapt-getでinstallするとproftpdの設定画面が出ます。

ProFTPd セットアップ

ProFTPd セットアップ

固定IPではないのでIPマスカレードを利用しないといけませんが、そのためにもスタンダードアローンではなくinetd経由にします。

それでは /etc/proftpd/proftpd.conf を書き換えていきます。

  • ServerName を好きな文字列に
  • ListOptions を “-l” に “-la” に
  • PassivePorts をコメントアウトして ポート範囲を決定(デフォルトは49152 65534)
  • MasqueradeAddress を コメントアウトして hogehoge.net(ドメイン名)に
  • ServerIdent を off で追加
  • RootLogin を off に
  • DefaultRoot を ~ に
  • RequireValidShell を off に

ここまではMySQLによる認証は関係ありません。これからMySQLで認証するための設定を追記します。この部分は「にわか鯖管のメモ – ProFTPD ~ MySQL + quota 編 ~」をもとにというかそのまま。

注意点はmodule.confをいじったときは sudo /etc/init.d/proftpd reload をしないとだめってとこです。

Ubuntuでレンタルサーバ その1

今日からUbuntuでレンタルサーバを構築するまでの記録を載せようと思います。まぁ気力が続けばですけど。

それと、メモみたいなもので解説はたぶんしないとおもいます。LinuxをCUIで使えるぐらいの知識がないともしかすると読めないかもしれないです。解説でなく日記ですね。

レンタルサーバといっても身内、友人、後輩などに貸してるだけですのであまりセキュリティ、特にユーザー間のセキュリティはよろしくない設定をしていくかもしれませんのでそういう意味でもあまり当てにはしないでくださいね。

で、なぜいまさらサーバー構築なのかということなのです。普段はMac OSX Serverの上でこのページ含め個人のサーバと上記のレンタル部分とを稼動させているのですが、いわゆる公私混同の部分の管理がめんどくさくなってきた(なんとなくしんどくなってきた)ので他人の分は仮想環境のUbuntuに移動させてしまおうと思い立ったわけです。

で現状は、Ubuntu 10.04 ServerをLAMP + SSHのみでインストールしたまでです。

このあとユーザー情報をMySQLで管理してユーザーごとにApacheのバーチャルホストを設定し、proftpdはMySQL上の情報で認証できるようにしていくことが目標です。